現場の知恵
こんにちは。杉山製作所が運営する実店舗『鉄家具と暮らす』で働く中山です。
先日、インスタグラムの投稿用に写真撮影を行うため、商品の製作現場へ立ち会いました。
梅雨を前に「傘かけ・傘立て」の紹介を行うにあたり、製品だけでなく、それが作られている製造現場の空気感も写真に収めたいと考えたからです。
今回撮影した商品は「ピア 傘立て」という、コンパクトなデザインのアイアン製傘立てです。
その製作に立ち会いながら、私は職人から「治具(じぐ)」について話を聞く機会がありました。
治具とは、製造の際に対象となる部品を固定し、位置を正確に合わせるための器具のことです。
言われてみれば納得のいくことなのですが、私はこの時初めて、その治具自体も社内の職人によって手作りされているのだと知りました。

職人の手によって作られた専用の治具に、パーツを慎重に固定していきます。
今回立ち会った職人は、この製品を製作するのが初めてだったそうなのですが、実際に使いながら「こっちの方がもっと使いやすい」と、その場で治具に改良を加えていました。

パーツの水平をより出しやすくするため、その場で治具に新たな改良を加えている様子。

新しく改良した治具を使い、正確に水平を保った状態で仮溶接を行います。
治具は一度作ったら終わりではなく、使う職人自身の手によって、使いやすさや精度、製造の時短のために常にブラッシュアップされていくものなのだそうです。
もちろん、道具の改良だけでなく、職人自身の細やかな手仕事も欠かせません。

輪っかのパーツを定盤の上で叩き、ミリ単位の歪みを取り除いて精度を出します。

治具による仮溶接を終え、綺麗に組み上がった傘立てが並びます。

形が定まった後、強度を担保するために一箇所ずつ丁寧に本溶接を施していきます。
製品そのものの美しさやクオリティを支えているのは、ただ形を作る技術だけでなく、こうした現場での日々の創意工夫と丁寧な手仕事の積み重ねなのだと、深く胸に刻む体験となりました。
私たちが自信を持ってお届けしている鉄家具の背景にある、こうした現場のリアルなものづくりの姿を、これからも丁寧にお伝えしていきたいと思います。
それでは、また次回の更新で。

