点と点が線になるとき。村瀬ブログ | 株式会社杉山製作所

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点と点が線になるとき。村瀬ブログ

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こんにちは。杉山製作所が運営する実店舗『鉄家具と暮らす』で働く村瀬です。


今日は夫の話を少しだけ。

夫は1年ほど前から、とても難しい資格試験の取得を目指して勉強しています。
その話を最初に聞いたとき、私にはまったく馴染みのない分野でどれほど難しいのかもよくわかっていませんでした。
でも、なんとなく彼の性格には合っていそうだなと思って、「いいやん!やってみなよ~!」と軽く背中を押したのを覚えています。

それからというもの、朝も昼も夜も、毎日コツコツと勉強。仕事をしながらの一年間、本当に大変だったと思います。

先生が話してくれた例え話が印象に残っています。
「今は山を登っている途中。山の中では、自分が今どこを歩いているのか、道は合っているのか、不安になる。でも、山頂付近までくると、視界が開けて、今まで歩いてきた道や、周りの景色が一気に見渡せるようになる。そうすると、『あの道をこう歩いてきたから、今ここにたどり着いたんだ』と、点と点がつながって線になる。」

その話を聞いて、仕事でも同じような話を聞いたことを思い出しました。
今やっていることが正しいのか不安になるときもあるけれど、小さな点を積み重ねていけば、いつか必ず線になると信じて目の前のことに取り組むと。

そんなことを思い出しながら、ついに先日試験当日を迎えました。

1年間悩みながらも努力を続けてきた姿をずっと見てきたので、「どうかうまくいってほしい」と祈るような気持ちでした。
でも結果がどうであれ、今の自分の最善を尽くすことができればそれで十分だと願っていました。

試験の数週間前、夫が言った言葉。
「まだまだ不安なこともあるけど、今はもう“あきらめない”ことしかできない。」

その言葉に私は、その思いがあればもう合格!優勝!と思っていました。

試験後、「手応えは厳しいけど、今の自分の力は出せた」と連絡がきて、まずはホッとひと安心。

その後、自己採点で意外にもギリギリまで迫っていたことや、先生もいけると思ってくれていたことを知って、本人の中に悔しさが込み上げてきたようです。
最後は自分を信じきれなかったと、悔し涙を流す姿を初めて見ました。

いつもは凪のように落ち着いた人だからこそ、この1年本気でぶつかっていたんだなと、私も悔しい気持ちになりました。

試験の直後は高熱で寝込んでしまいましたが、ようやく回復して今は気持ちも切り替えて次の一歩に向けて進み始めています。

前職の前の木工の学校では、18歳から60歳まで、さまざまな年齢や背景を持つ人たちと出会いました。
家族を抱えながら安定した職を辞めてきた人もいれば、定年間近で思いきって新しい道に挑戦した人も。

そんな人たちの姿を見てきたからこそ、改めて挑戦に年齢は関係ないんだなと思います。
結果がうまくいかなくても、自分の気持ちが向かうほうへ一歩踏み出していればいつかそれが線になる日がくる。
私もそう信じて毎日を過ごしていきたいと思います。

この記事の著者

村瀬楓

モノづくりが好きで、大学卒業後は飛騨高山で約10年間木工に携わってきました。現在は広報として作り手の目線を大切にしながら、鉄家具の魅力やモノづくりの面白さ、こだわり、そしてその裏側にある技術や想いを発信しています。

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